【道のり】

 

20085月 試験勉強開始

20091月 受験(学科一般・専門合格)

20098月 受験(実技不合格)

20101月 受験(実技合格)

20103月 気象予報士 資格取得

 

1. 他大学の公開講座を受ける

2008年、学部1年の5月、どのようにして試験勉強をすればいいのか模索していた中、たまたまインターネットで横浜市内の私立大学で気象予報士取得のための公開講座の存在を知り、すぐに受講の申し込みをしました。公開講座は、5月の終わりから1月までの約8か月間開講され毎週日曜日6時間ほど、講師の気象予報士の方のレクチャーを受けながら、気象予報士になるための勉強をするというものでした。また、この公開講座では、気象予報士試験を始めたばかりの人を対象としていたため、学科試験の内容の基礎的な部分を中心に勉強をしました。講座の初めは、低気圧の仕組みや天気図の見方など、本当に基礎的な内容でしたが、高層天気図の存在すら知らなかった僕にとっては、授業は驚きの連続で時間があっという間に過ぎ、気象にのめり込んでいきました。

2.コリオリに屈する

 公開講座の授業を楽しく受けていましたが、7月ごろから内容がやや難しくなり、物理方程式がバンバン出てくるような単元になりました。私は高校時代、物理が大嫌いでした。そのため熱力学やコリオリの方程式を見るたびに、脳内では大好きなフィギュアスケーターが現れ舞い始めるので、方程式という現実から逃避していました。熱力学やコリオリなど内容が理解できないまま、次の単元へと進んでいくので、段々と授業が少ししんどく思うようになりました。

3. 大学の授業で「一般気象学」の知識を身に付ける

 後期(今でいう秋学期)に、一般教養の授業で「一般気象学(小倉義光著,東京大学出版会)」を教科書にした気象の授業が開講されていたので、もちろん履修。気象予報士試験の勉強をしている方ならご存知だと思いますが、「一般気象学」は受験者にとってバイブルのような存在です。その「一般気象学」を丁寧に解説してくれる授業があるとは!横浜国大様、ありがたやありがたや〜、と大学に拝みたくなるほど、僕にとって嬉しい存在の授業でした()この授業で一般気象学を専門的に一から勉強し直し、熱力学やコリオリについてもなんとか理解できるようになりました。上記の公開講座の復習にもなったので、試験勉強がとても捗るようになりました。

4. 過去問を解き始める

 11月ごろから、試験を想定して過去問を解く練習を始めました。授業以外の試験勉強時間は、それまでは週に2時間程でしたが、11月ごろから毎日1時間は家で勉強するようにし、過去問は学科を中心に1問ずつ解いていくのを繰り返しました。12月の終わりからは、毎日2時間以上、長い日で7時間机と向き合い、授業の復習や、実技を中心に過去問を解いていくのを繰り返していきました。

5. 初めての気象予報士試験

 20091月試験当日、最寄駅から会場へと続く受験者の行列、カフェで参考書を食い入るように見ている多くの人々、教室内に溢れかえる中高年男性…。試験前に、あの独特な雰囲気に飲み込まれてしまいました。試験中も、緊張してしまい落ち着いて問題を読むことができなかったり、実技では時間配分がうまくいかず解けなかった問題があったりと、反省点が多く残りました。過去問は解きまくっていましたが、試験「本番」を想定した学習ができていなかったことを痛感しました。試験結果は、学科(一般・専門)合格、実技不合格。

6. 二度目の試験に向けて…

 20098月、試験勉強を本格的に再開したのが試験の2週間前。主に一般気象学を何度も読み返し、制限時間を設定して過去問の実技の問題を繰り返し解いていました。学科試験免除というアドバンテージは大きかったものの、論述の練習には手を焼きました。エンジンをかけ始めるのが遅すぎたため、論述問題への不安を残したまま、試験に臨みました。試験では、論述問題に時間を取られ何問か問題を解けずに終了しました。結果は不合格。

5.三度目の試験に向けて…

 2回目の試験の反省を生かし、20101月の試験の2か月前から試験勉強を再開しました。一般気象学の本と過去問だけでは、試験問題に完全には対応できないと思い、試験を管理している気象業務支援センターの通信教育を受講しました。その通信教育の教材、一般気象学を繰り返し読むこと、過去問を何度も解くこと、試験とは直接関係はありませんが、毎日の天気図を見て楽しみながら考察することを、試験まで続けました。特に過去問を解くときには、必要最小限のキーワードを頭の中で整理し、制限文字数内でシンプルに表現した文章を書く練習を繰り返しました。また、制限時間を設定するだけでなく、本番用の解答用紙をプリントアウトしたものを使用するなど、とにかく本番を想定した「練習」を繰り返し行いました。この試験で不合格になってしまうと学科試験の免除がされるプレッシャーからか、試験前日に「この試験落ちたら死んでやる〜。でも間に合わない〜」と泣きながら詰めの勉強をした覚えがあります。2度目の試験よりも充実した試験勉強をして臨めたからか、試験中は非常に落ち着いて、問題を解くことができました。結果は合格。念願の気象予報士を取得することができました。