未就学児童に対する保育所における気象教育
-科学技術コミュニケーション実践の評価と
教材アプリケーションの開発―

2016年度 横浜国立大学教育学研究科 修士論文
教育実践専攻 教育デザイン(理科) 奥村 政佳

 

イントロダクション

研究の背景

幼児教育の重要性の高まりと保育環境の抱える問題

 幼児期の教育の重要性
 最近、幼児期における教育の重要性が注目されている。「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について」 (平成17年 中央教育審議会答申)によると、幼児期には学習意欲や態度の基礎となる好奇心や探求心を養い、小学校以降における(中略)重要な役割を担う、とある。  それを受けて、平成18年には改正教育基本法で、「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものである」と「幼児期の教育」が初めて規定された。

 保育所における教育~保育所保育指針~
 保育所における保育の内容は、厚生省が告示する保育所保育指針(幼稚園においては、文部科学省が定める学習指導要領)に基づいている。第3章「保育の内容」の(2)教育に関わるねらい及び内容における5分野のうち、ウ「環境」では「周囲の様々な環境に好奇心や探究心を持って関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う」ことが目指されている。 また、その中で