台風ハザードマップで公表している「被災建物想定」とは、AONが開発した被害想定手法と本研究室で開発した台風経路アンサンブルシミュレーションを用いて、都道府県別に風による建物被害想定を示している。
伊勢湾台風をモデルにした経路アンサンブルシミュレーションにより算出された各経路ごとの地上風速をインプットとして、
現在の建物特性データを利用して、地域ごとに被災する建物数を算出している。
被害想定の図の見方は、横軸の0(グラフの赤色)にあたる経路が各市区町村を直撃する経路であり(例では神奈川県横浜市)、直撃よりも西の経路はマイナスの値(グラフの緑色)、直撃よりも東の経路はプラスの値(グラフの青色)に表示している。
縦軸は、それぞれの経路の仮想台風によって、被害がでると算出された建物の棟数と割合である。
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台風経路アンサンブルシュミレーションにより得られた仮想伊勢湾台風の経路。黒が実際の伊勢湾台風、赤が横浜市直撃コース、緑が直撃よりも西、青が直撃よりも東のコース。 | 神奈川県の被災建物想定 |
1)岡崎豪,レブルオリオル(エーオングループジャパン株式会社), 2017: 「ディープラーニングによる建物特性の抽出と台風被害想定の手法」, The 31st Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence
2)岡崎豪,レブルオリオル(エーオングループジャパン株式会社), 2019: 「豪雨による支払件数を予測する被害想定手法の提案」, The 33rd Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence
3)筆保弘徳編著, 2020:台風の大研究, PHP研究所
4)筆保弘徳著, 2020:世界気象カレンダー, 日本プロセス