Method
シミュレーション共通設定
数値モデルの共通の実験設定は,以下の通りである.また,計算資源として理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」を利用した.
| Idealized Heating Simulation | |
|---|---|
| Base Model | SCALE v5.5.4 |
| Time Step | 0.2 seconds |
| Integration Time | 120 minutes |
| Grid Spacing | 100 m (400 × 390 × 200) |
| Initial # of SDs | 100 /grid |
| Lateral Boundary | Double Periodic Condition |
| Surface Boundary | SST 303K (fixed) |
| Microphysics Scheme | SDM (Shima et al., 2009/2020) |
| Turbulence Scheme | LES (Smagorinsky, 1963) |
過冷却水滴の強制凍結モジュール
本研究では,各超水滴が有する個別物理情報を活用し,指定した時刻および高度によって過冷却水滴の強制凍結を可能とする数値実験モジュールを新たにSDMに実装した.従来のSDMにおいて,①対象の超水滴が液相であること,②超水滴の周囲の水蒸気量が水に対して飽和または過飽和であること,③超水滴の温度が既定の均質凍結温度(SDMの初期設定では-38 ℃)を下回ること,の三条件が同時に満たされた場合に均質凍結が生じる.そこで,均質凍結条件と並列する形で,①現在時刻が予め指定した強制凍結開始時刻から終了時刻の範囲内にあること,②超水滴の高度が指定した高度範囲内に存在すること,③対象の超水滴が液相であること,④超水滴の周囲の水蒸気量が水に対して飽和または過飽和であること,⑤超水滴の温度が指定した強制凍結温度の閾値未満であること,をすべて満たした場合に成立するモジュールを追加した.本研究では,この温度閾値を0 ℃に設定することにより,対象時刻下で対象高度層内の過冷却水滴を一斉に凍結させることを想定した.
このモジュールを用いて,何も介入を行わない基準実験に対し,計算開始37分後から1分間,高度5500-7500 mの各500 m層(5500-6000 m,5750-6250 m, 6000-6500 m,6250-6750 m,6500-7000 m,6250-6750 m,6500-7000m,6750-7250 m,7000-7500 m)に存在する過冷却水滴を強制凍結させる感度実験を実施した.